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2014/09/01


睡眠改善薬と鎮うんに用いられる成分について
眠 気を催す  いわゆる睡眠改善薬の主要成分には  医療用の成分とOTC薬の成分とでは 大きく異なります。 医療用では ベンゾジアゼピン系とよばれる成分であるのに対し、 OTC薬では抗ヒスタミン成分である ジフェンヒドラミン系の成分がよく使われます。
つまり、鼻炎や皮膚の痒みなどに対処するための抗ヒスタミン製剤のいわば、副作用にスポットをあててOTC薬で 睡眠改善薬 として再登場しているわけです。

 ですから 睡眠改善薬として服用しているつもりでも、別に鼻炎薬、湿疹の痒み止めの内服薬を服用している場合には 成分が 重なり、思わぬ副作用が増大する恐れがあります。またヒドラミン製剤は 効能である眠気が生じるのは当然ですから、服用後は 乗り物を運転したり機械類を操作しない注意が必要です。
また 15歳未満では神経過敏や興奮が起きることもあるため小児への服用は避けるべきとされています。
 OTC薬の眠気を催す薬には ジフェンヒドラミン塩酸塩などの 抗ヒスタミン成分以外に分類される成分もあります。
ブロムワレリル尿素 アリルイソプロピルアセチル尿素で す。
これらは抗ヒスタミン作用はありませんが、反復使用による依存性や自殺や薬物中毒による問題などもある かぜ薬や医薬品の補 助成分でもある催眠鎮静成分な のでよく覚えておきましょう。
これらの2成分 ブロムワレリル尿素  アリルイソプロピルアセチル尿素は 脳の興奮を抑え、痛みなどを感じる感覚の鈍磨を起こさせる働きがあり ますからやはり、これらを服用した後に は、乗り物や機械類の運転はさけるべきです。
 いままで 睡眠改善薬について述べてきましたが、次に鎮暈薬(ちんうんやく)について見ていきます。これは いわゆる乗物 酔い止めの薬です。 この成分の代表は 抗めまい成分である ジフェニドール塩酸 塩があります。このジフェニドール塩酸塩は  抗ヒスタミン成分と抗コリン成分ももつと解釈されることもあり内耳にある前庭と 脳を結ぶ神経の調節をしたり、内耳への血流を改善することにより乗物酔いなどによるめまいを抑える効果があると推測されるのです。
 また 鎮暈薬にも、抗ヒスタミン成分が大いに用いられることがあります。
これは 先ほど解説した 睡眠改善薬に用いられる抗ヒスタミン成分と同じです。
具体的な成分としては ジメンヒドリナート メ クリジン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩などです。これらは延髄にある脳と中枢への刺激や 内 耳の前庭における自律神経反射の 抑制などの効果をもちます。
抗ヒスタミン成分としては あまりなじみのないメクリジン塩酸塩で すが、もっぱら乗物酔い止めに使われ、他の抗ヒスタミン成分と比べて、作用が現れるのが遅く持続時間が長い成分です。
また ジメンヒドリナートも抗ヒスタミン成分としてはあまりな じみがないかもしれませんが、 こちらも乗物酔い止めによく使われ、別名  テオクル酸ジフェンヒドラミンともいい 同じ成分 と考えてよいのです。
   さらに、抗ヒスタミン成分として あまり聞き覚えのない、テオクル酸プロメタジンも乗物酔い止めに使われますが 乳児 の突然死などの原因が疑われたことがあり15歳未満の使用は避けるべきとされています。 
  一般に乗物酔い止めは 乗車の30分前に服用します。 これらの薬の主成分は抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン 成分 および、鎮静成分などがあります。
 まだ解説していない、抗コリン成分には スコポラミン臭化水素酸塩、ロートエキスがあり これらの作用は中枢では自律神経 系の混乱を軽減 したり、消化管の緊張を低下させる効果があるとされます。
 元来 抗コリン成分とは 副交感神経の働きを抑える成分なのです。
交感神経と副交感神経は 合反する作用ですから、抗コリン成分が副交感神経を抑えれば、交感神経が優位となり、リラックス モードとは逆の 緊張、戦闘モードとなります。その副作用のため、おしっこが出ずらくなったり、口や喉が渇いたりします。
抗コリン成分の鎮暈薬を服用した場合には 散瞳による目のかすみや異常な眩しさを引き起こすこともあるので 車の運転なども してはいけません。
  抗コリン成分の鎮暈薬成分の スコポラミン臭化水素酸塩は  肝臓で速やかに代謝されるので抗ヒスタミン成分に比べきわめて短い作用時間であることも知っておくとよいでしょう
では 最後に乗物酔い止め薬に用いられる成分として、鎮静成分にあたるものをあげてみます。 これには2つあり、ブ ロムワレリル尿素とアリルイソプロピルアセチル尿素が あります。この2つの成分は 睡眠改善薬の成分としても用いられるも のであり、まったく重複する成分です。
この分類の成分が鎮静成分とよばれることでわかるように、その作用は 不安や緊張などの心理的な要因を緩和することなので す。
 最後にもうひとつ、鎮暈薬には コーヒーのように脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減するために  中枢神経系興奮成分が用いられ ることもあります。
カフェインやジブロフィリンがその代表例です。これも記憶して おきましょう。
※  成分名の読み替えについて  過去の手引き、学習参考書、OTC薬パッケージでは 左の物質名が記されている ことも少なくありませんが、最新の厚生労働省による試験問題作成の手引きでは( )内の表記が選択されています。 ほぼ同じ物質 であると 理解してください。
塩 酸ジフェンヒドラミン → (ジフェンヒドラミン塩酸塩)
塩 酸ジフェニドール → (ジフェニドール塩酸塩)
マ レイン酸クロルフェニラミン → (クロルフェニラミンマレイン酸塩)
塩 酸メクリジン → (メクリジン塩酸塩)
臭 化水素酸スコポラミン → (スコポラミン臭化水素酸塩)
テ オクル酸プロメタジン → (プロメタジンテオクル酸塩)
リ ン酸コデイン → (コデインリン酸塩)