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2014/09/01


皮膚に用いられる薬の成分について
皮 膚に用いる薬といえば、皮膚の炎症や湿疹、痒みに対処するための薬であることが多いのですが、こういった症状に対して 強力 に作用する成分といえば、やはりステロイド系の成分といえます。皮膚薬に用いられるステロイド系の成分は抗炎症成分の一部と もいえます。具体的な成分名としては デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンです。これらは ステロイド性の抗 炎症成分で 痒みなどをすばやく和らげますが、免疫機能低下などの副作用はいうまでもありません。
また これらの皮膚薬に用いられる ステロイド性抗炎症成分 デキサメタゾンプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン  は患部のプロスタグランジンを抑えるという点もちゃんと理解しておきましょう。また、これらのステロイド性抗炎症成分はコルチゾンに 換算して1gまたは 1ml中に0.025mgを超えて含有する製品は長期連用を避けるべきとされ、これらの製剤を塗る場合 もできる だけ狭い範囲に適用するほうがよいとされ、慢性の湿疹には適さないとされています。
 一方 非ステロイド性の抗炎症成分のうち、皮膚のほてりや痒みなどに適応される成分として ブフェキサマク、ウフェナマー トとい う成分が適用される。これらの成分は筋肉痛には適さないとされ
 筋肉痛に適するのは インドメタシン、ケトプロフェン、フェルピナク、ピロキシカムといった成 分であり、筋肉痛をはじめ、関節痛、打撲、捻挫などによる痛みを鎮める鎮痛作用があるとされます。これらの非ステロイド性の抗炎症成 分も やはり長期連用はよくないとされます。これらの成分の副作用として 喘息症状の悪化や腫れ、刺激、だだれなどがある、 インドメタシンは特に皮膚の弱い人は要注意です。

またピロキシカムは 光過敏症などの副作用がある場合 もあり、ケトプロフェンはアナフィラキシー様症状がで たり、接触性皮膚炎、光過敏症などの副作用もある場合があるのです。
 また痛みを鎮める鎮痛成分として、サリチル酸系の成分として サリチル酸メチルやサリチル酸グリコールが 配合されることもあります。これらの成分は 血行を促し、抹消の知覚神経を麻痺させることで鎮痛効果を得るものと推測されます。 同 じ サリチル酸系の成分でも単なるサリチル酸は 肌の角質を軟らかくして、抗菌作用、抗真菌作用、抗炎症作用を発揮し にき びなどにも用いられる成分です。同じサリチル酸でも かなり分類の異なる皮膚薬となるので混同しないようにしてください。こ のに きび、などに用いられるサリチル酸と同じような働きの成分として配合されるものに イオウがあります。
 サリチル酸やイ オウは 角質軟化剤に分類され、抗菌作用は メインの作用ではありませんが抗菌作用がメインの作用となるものに、サルファ剤、バシトラシン、硫酸フラジオマイシンな どがあります。ちなみに サルファ剤というのは総称の ようなもので、スルファソミジン、スルファジアジン、ホモスルファミンなどです。このサルファ剤にあたる成分は 細菌のDNA合成を阻害します。
一方、バシトラシンは 細菌の細胞壁の合成を阻害します。また 皮膚の化膿箇所などに適用されるクリーム、軟膏などでおなじ みの、硫酸フラジオマイシンは 細菌のタンパク質合成を阻害するのです。
 再び、皮膚などの痛みを鎮めたり、痒みを鎮める 鎮痛、鎮痒成分について局所刺激成分にあたるものを いくつかあげてみま しょう。
  冷たい感覚の刺激を与えて、血行を促進しながら、知覚神経を麻痺させる成分を冷感刺激成分といい 反対に 暖かい刺激で もって  同様の効果を得る成分を温感刺激成分といいます。 冷感刺激成分には メントール、カンフル、ハッカ油などで温感刺激成分には 唐辛子のエキスでもある カプサイシン、な どがあります。
 次に 皮膚に対して抗菌作用のある成分のうち 皮膚糸状菌 つまり白癬菌 いわゆる水虫菌にたいして用いられる成分をみて いきま す。
 まず イミダゾール系抗真菌成分にあたるものがいくつかあります。
オキシコナゾール硝酸塩 ネチコナゾール塩酸塩、などがあります。これらの成分のはたらきはターゲットとなる真菌の細胞膜の 産生を妨げたり、 細胞膜の透過性を変化させたりすることで 抗真菌作用を発揮するのです。 一方 イミダゾール系ではない抗真菌成分にはブテナフィン 塩酸塩があり、ブテナフィン塩酸塩は 皮膚糸状菌の細 胞膜の合成そのものを阻害します。
ウンデシレン酸は患部を酸性にすることにより真菌を抑 え込みます。
では 次に 上げる皮膚薬成分は 頭皮や毛根などに働く成分です。
これらが配合される薬は、脱毛やふけ かゆみ 育毛などを目的とした製剤に有効成分として配合されるいくつかのものがありま す。
 まず 脱毛などが 男性ホルモンに起因するといわれることから、逆に女性ホルモンであるエストラジオール安息香酸エステル を補充する薬剤があります。これにより 脱毛などを防ぎ育毛をするというものですが、この成分を含む薬剤は 妊婦などがとる ことは避けるべきです。
また カプロニウム塩化物 という成分は アセチルコ リン様の類似作用を示すため血管を拡張させます。そのことにより適用局所にて血管を拡張して 毛根への血流を促します。
 また カシュウという生薬成分は 頭皮における 脂 質の代謝を高めます。そのことにより 余分な脂質が 毛根に悪影響を与えることを防ぐのです。
**未**
また ヒノキチオールというヒノキ科の植物から得られ る精油成分は 頭皮や毛根に適用されますが
抗菌、血行促進、抗炎症などの作用を期待して配合されます。
※  成分名の読み替えについて  過去の手引き、学習参考書、OTC薬パッケージでは 左の物質名が記されている ことも少なくありませんが、最新の厚生労働省による試験問題作成の手引きでは( )内の表記が選択されています。 ほぼ同じ物質 であると 理解してください。
プ レドニゾロン→(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル/酢酸エステル)
ヒ ドロコルチゾン→(ヒドロコルチゾン酪酸エステル/ヒドロコルチゾン酢酸エステル)
硝 酸オキシコナゾール→(オキシコナゾール硝酸塩)
硝 酸エコナゾール→(エコナゾール硝酸塩)
塩 酸ブテナフィン→(ブテナフィン塩酸塩)
塩 化カプロニウム→(カプロニウム塩化物)
安 息香酸エストラジオール→(エストラジオール安息香酸エステル)