自然との調和を目指す企業

2014/09/01


おもな医薬品の成分分野  その他の成分 その1
眠気を防ぐ薬  強心薬  小児鎮静薬  浣腸薬
<眠 気を防ぐ薬>
眠気を防ぐ薬についてみていきますと、この種の医薬品は眠気防止薬として 医薬品、 医薬部外品、清涼飲料水いずれかの分類として販売されています。 いずれの場合も、有効成分は  カ フェインです。 このカ フェインは  脳に比較的軽い興奮状態を引き起こす作用があり、眠気や倦怠感を一時的に抑える効果があるのです。 したがって こういっ た OTC薬 などの 目的は眠いときに仕事をがんばったり、車の運転中の眠気を吹き飛ばす などの目的で販売されているこ とが多いようです。ただし、このカフェインは  緑茶やコーヒーなどでも 1杯あたり 50mg程度は含まれているおなじみの成分ですが、副作用として、振戦(しんせん= ふるえのこと) や めまい、不安、不眠、頭痛などがある場合あり、その服用量には注意を払わなくてはなりません。また、 カフェインには、胃液の分泌を亢進する 作用と、心臓の 筋肉、心筋を興奮させる作用があります。したがって、持病として 胃潰瘍をもっている人、および、心臓病の人は服用を避ける 必要があります。 胃への影響が顕著に表れた場合、副作用として、食欲不振、悪心、嘔吐などの胃腸障害として表れることがあ ります。心臓に影響が表れれば、動悸となります。栄養ドリンクなどにもカ フェインが含まれていますが、50mg程度です。清涼飲料水やドリンク剤には 100mg以上含まれてい ます。医薬品の場合には 最大 1回服用分で 200mgまで配合できることになっています。  このカ フェインのもう一つの人体に対する影響は、腎臓での水分の再吸収を抑制し、同時に膀胱の括約筋を弛緩させ るはたらきがありますから、自然に尿量が増える傾向が現れる利尿作用があります。
  さらに カフェインは反復 使用で依存性が 表れることがあるため、短期間の服用にとどめ 連用しないこととされています。また 胎盤関門の通過や乳汁中への移行も懸念 されるので 妊婦などは通常の食事と合わせて 総合的な服用量に配慮するべきとされています。ちなみに 子供へは、成長期の 脳への影響が大きすぎるとされ、15歳未満の小児向けの、これらの眠気防止薬などは存在しないとされている。
 眠気防止薬でのカフェインの 1回摂取量上限 は 200mg  一日摂取量で500mgとされている。 もちろん 1日量は一般の食事からの摂取も十分考慮すべきといえます。
<強心薬>
次に強心薬成分についてみていきます。強心薬とは動悸や息切れ、着付け、睡眠不足や疲労、あるいは ストレスによる心臓の働 きの低下、更年期障害的な原因によるホルモンバランスの崩れによる心臓の働きの低下などに悩むひとが、心臓の働きを整えて  こういった症状を緩和、改善するために飲む薬の総称なのですが、とかく、生薬成分が多いのです。
 生薬成分は大きくわけて、カフェインの よう に心筋に作用する、つまり心筋の収縮力を高める強心作用のある成分とそれ以外のものに 分けられます。  強心作用のある強心成分には、 センソ、ジャコウ、ゴオウ、ロクジョウ  などがあります。このうちセンソは 局所麻酔作用もある成分なの で、口の中で舌などが、麻痺することがあるため、口の中では噛み砕かずに服用すべきとする注意があります。  センソは カエルの1種の毒腺の分泌物 を集めたものでもあります。 ゴ オウは 強心作用だけでなく、血圧降下、興奮を鎮めるなどの作用があるとされ、ウシ科のウシの胆嚢中に生 じた結石から見つかったものでもあります。つまり、ウシの胆石なのです。 ジャコウはシカ科の動物のオスのジャコ ウ腺分泌物を乾燥したもので、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸 機能を高めたり、意識をはっきりさせる作用があるとされます。 ロ クジョウはシカの1種のオスの幼角から得られる生薬で、強心作用のほか、強壮効果と血行促進の作用があり ます。次に 強心作用以外の作用が中心でありながら、強心薬に配合される生薬についてみていきます。まず、中枢神経系の刺激 作用による気付けの効果があるとされる、リュ ウノウが あります。気付けとは意識をはっきりさせたり、意識を回復させることをいいます。その他には、鎮静作用のある、シンジュという生薬成分も強心薬に配合 されることがあ りますし、レイヨウカクや ジンコウも 緊張や 興奮を鎮静する作用があり、強心成分の働きを助ける効果を期待して 強心成分といっしょに配合されることがあります。
次に 小児鎮静薬をみていきますが、今取り上げた、鎮静効果のある、生薬のレ イヨウカクは小児鎮静成分として配合されることもあります。期待される効果は、同じく、緊張や興奮の鎮静 化です。 ジンコウも鎮静効果 があるので小児 向けの鎮静薬にも配合されます。その他の効能の健胃作用と強壮作用が期待されます。 ゴオウジャ コウは 強心薬 では強心成分ですが、小児鎮静薬でも、緊張や興奮の鎮静、および、血流の促進の効果を期待して用いられることもあります。  また、いろいろな分類のOTC薬に配合される、生薬の カ ンゾウも、小児鎮静薬において、健胃成分として配合されることもあり ます。小児鎮静薬の目的は、夜泣きやひきつけ、疳の虫、神経過敏、イライラなどがあげられますが、これらへの総合的対処とし ては、漢方処方製剤がたくさんありますが、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏が 子供の夜泣きや疳の虫への対処 イライラなどがある 神経症、不眠症の緩和対策としてよく用いられます。これらには、含まれる生薬として、やはり  カンゾウがあります。 小児への 鎮静を狙った小建中湯(しょうけんちゅうとう)も 同じく
カンゾウが含まれま す。これも鎮静  滋養強壮 健胃効果のある漢方 処方製剤です。腹痛を和らげ胃腸の調子をよくします。虚弱な子供の体質改善などにも適しています。子供の夜泣き おねしょ  小児ぜんそくに用いられますが、ぜんそく発作ではなく 体質改善、滋養強壮効果をねらっ た服用が中心です。体質改善の場合には 1ヶ月くらいの比較的長期待ちいられますので、 カンゾウに含まれる グリチルリチン酸の摂取量に気をつけな ければなりません。
<小児鎮静薬>
<浣腸薬>