自然との調和を目指す企業

2014/09/01


滋養強壮の薬に用いられる成分について
滋 養強壮薬といわれるものは、滋養強壮の他、虚弱体質の改善 や病中、病後の栄養 補給などのためにいろいろな成分が配合されています。あまりに多くあるのですが
有名なものから、カルシウム成分、アミノ酸成分、生薬成分、その他の成分などの順で解説していきます。
   まず、カルシウム成分としては、クエン酸カルシウムな どがあります。この成分は骨や歯の形成、さらに筋肉の収縮、血液凝固や神経機能などにはたらき、これが配合されると、虚弱体質な どにおける骨歯の発育を促進し、妊婦や授乳期の骨歯 が弱くなりやすいことからカルシウム分などを補填する役目があります。
  次に滋養強壮保健薬のアミノ酸成分にあたるものに、システインとタウリン、ア スパラギン酸ナトリウムがあ りますが、このうち、効果が滋養強壮でないのが唯一、システインとなります。
  システインは メラニンの生成を抑えたり、メラニンの排出を促 したり、アルコールの代謝を促進するはたらきがあるので、シ ステインが配合された製品の効能は色素沈着を予防、つまり しみ、そばかす、日焼けなどの対策用として用いら れます。 そのほかとしては、アルコール代謝促進などもあることから、二日酔い、全身倦怠感の対策、または 蕁麻疹、かぶれの症状緩和などもあります。
 そして残りの2つのアミノ酸成分である、タウリンとアスパラギン酸ですがともに滋養強壮を 目的とし、タウリンは栄養ドリンクで有名ですが、肝機能を改善するはたらきがあるとされ、別名 ア ミノエチルスルホン酸ともいい、同じ物質です。
 一方 アスパラギン酸ナトリウムは 生体における、エネルギー産生効率を向上させる作用があるとされ、骨格筋の疲労の原因 となる いわゆる疲労物質ともいわれる乳酸の分解を促進する作用があるのです。
アスパラギン酸カリウムもマグネシウムもほぼ同じ 効果をもつと考え てよいでしょう。
  その他の滋養強壮成分を まず 4つほどあげますと
まず、ビタミンCとセットで働く、ヘスぺリジンで す。この成分はビタミンCの吸収を助ける働きがあるので ビタミン様物質といわれることもあります。
滋養強壮の目的で配合されます。

 次は有名な コンドロイチン硫酸で 軟骨組織の 主成分で、軟骨成分の形成や修復に
役立ちます。主に関節痛や筋肉痛の改善のために配合されます。
 次は 肝臓の血流を促進する グルクロノラクトンと いう物質です。
肝臓によい働きをするので、全身倦怠感や疲労時の栄養補給剤などに配合されます。
 次のガンマ-オリザノールは 米油や米胚芽油か ら見出された成分で抗酸化作用をもちます。
こちらも、一部の栄養ドリンクや清涼飲料水に配合されていることがあります。滋養強壮に役立つと考えられているからにほかな りま せん。
 次にビタミンの成分名とその効能を説明しますが、ビタミンB系は多いのでそれ以外から解説しますと、有名なものから まず ビタ ミンCですが、成分名ではアルゴスビン酸といわれ るものがあたります。皮膚や粘膜の機能を正常に保ち、体の脂質を酸化から守る抗 酸化作用があります。メラニンの生成も抑制するので しみ そばかす、ひやけ かぶれによる色素沈着を予防したり、その他の体力低下時 老年期などの栄養 補給的要素もあります。
 ちなみに ビタミンCは水溶性ビタミンで、 アスコルビン酸だけでなく アスコルビン酸ナトリウム、 カルシウムなどとして配合されることがあります。
 次はビタミンEですが、これはトコフェロールという成分が相当します。
はたらきは 血行を促進し体の脂質を酸化から守るという点であり、この点はビタミンCと共通です。このト コフェロールが配合されることにより得られる効能は 末梢神経障害による、肩、首筋の凝り、手足のしびれ 冷 えなどを改善することが期待されます。
一方で ビタミンEの取りすぎも 副作用がある場合があるとされます。
ビタミンEのト コフェロールは脂溶性のビタミンで、マーガリンやひまわり油、マヨネーズ、か ぼちゃなどに多く含まれます。
 次にあげるのは ビタミンAです。 レ チノール酢酸エステルという成分や肝油などが相当します。このビ タミンの働きは 夜の視力の維持などがあるため、これが不足すると目の乾燥感や夜盲症 つまりとり目 を起こすことが知られています。その他 ビタミンAは皮膚や粘膜の機能 を正常に保ちます。ただし、ビタミンA、レ チノール酢酸エステルは 過剰に摂取す ると新生児の先天異常などの影響がでやすくなるためその1日摂取量が4000国際単位が上限となっています。
 ビタミンDは ここでは省略して ビタミンB系 をみていきます。
まず B1ですが、チアミンという成分がこれに相当し ます。水溶性のビタミンでありチアミン塩化物塩酸塩、硝酸チアミンもほぼ同じととらえても構いません。このビタ ミンは 炭水化物の代謝に不可欠で、神経の正常な働きを助けます。ですから このB1の配合された製剤の効能には 
神経痛、筋肉痛、関節痛、手足のしびれ、眼精疲労が含まれます。その他、便秘や脚気なども効能となります。
 次にビタミンB2ですが これは 人間の脂質の代謝に関与する水溶性のビタミンです。
このビタミンに相当するのは リボフラビンなど で、ドリンク剤やビタミン剤を飲んで尿が黄色 くなるのはこの成分の影響です。このビタミンは皮膚や粘膜のビタミンともいわれ、皮膚や粘膜の機能を正常に保つので、これが配合された製剤の効能には 口 や舌に関する異常症状の緩和が掲げられます。
具体的には 口角炎、口内炎、唇の炎症、舌炎、皮膚炎、かぶれ、しっしん、にきび、肌荒れ、赤鼻などで、もちろん、体力低下 時の 栄養補給的な要素もあります。
 1,2とくれば 次は6のビタミンB6です。こ れにあたる成分はピリドキシン塩酸塩でこのビタミン のはたらきは たんぱく質の代謝のはたらきをします。
 皮膚や粘膜の健康維持をするのですが、この成分がもたらす 疾病の改善には口角炎や口内炎、舌炎、湿疹などと ほとんどビ タミンB2と同じです。した がって混同しやすいかもしれません。
というわけですから、B2が脂質の代謝、B6がタンパク質の代謝ということで区別するしかありません。
B2はリボフラビンという成分でB6がピ リドキシン塩酸塩となります。
ビタミンB群の最後が ビタミンB12です。これ にあたる成分は シアノコバラミンがありま す。
 このB12のはたらきは 栄養分の代謝ではなく、赤血球の形成や神経機能を正常に保つことがあげられます。したがって ビ タミ ンB12が配合された成分 の効能には、貧血があります。
また、B12、シアノコバラミンは神経のビタミン ともいわれる水溶性のビタミンですから、眼精疲労、肩こり、神経痛にも効果があるとされています。
※  成分名の読み替えについて 過去の手引き、学習参 考書、OTC薬パッケージでは 左の物質名が記されていることも少なくありませんが、最新の厚生労働省による試験問題作成の手引 きでは( )内の表記が選択されています。 ほぼ同じ物質であると 理解してください。
レ チノール → (レチノール酢酸エステル)
塩 酸チアミン → (チアミン塩化物塩酸塩)
塩 酸ビリドキシン → (ピリドキシン塩酸塩)