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2014/09/01


点眼薬に配合される成分について
で は、目薬に配合される成分について学んでいきます。まず、しっとりとさせる成分に保湿成分といわれるものがあります。
軟膏や保湿クリームにも配合されているので、聞き覚えのある人も多いでしょう。その成分が目薬にも配合されるのです。その成 分として はコンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどもあります。
ヒアルロン酸ナトリウムも同じ目的の成分と解釈される こともありますが、粘り気をだすための添加物として区別され、成分ではないと解釈されることもあります。これらが目ぐすりに配合され る目的は、当然、目の乾きを改善するためです。
 つぎに目薬に配合されるのは アドレナリン作動成分です。どうして目薬にアドレナリン作動成分なのか、と疑問を持たれる方 も多いか と思いますが目が充血したときには血管が炎症を起こし拡張していると思われますので交感神経が優位になると同時に、気管支の広がる のと同時に炎症、充血が収まるように血管を収縮させることがよいからなのです。
 この目的のために目薬に配合される アドレナリン作動成分には ナファゾリン硝酸塩、エフェドリン塩酸塩、テトラヒ ドロゾリン塩酸塩などがあります。 ただし、目の血管が収縮すると眼圧を上昇させてしまいますから、緑内障などの持病のあるかたは 症状を悪化させてしまう恐れがありま す。
 次に目薬に配合される成分としてあげるのは抗炎症成分です。
これは目薬でなくても、いろいろなお薬に配合されている おなじみの成分があります。その2つを先に紹介しますと、リゾチー ム塩酸塩とグリチルリチン酸です。
それぞれの副作用はもうおわかりですね。鶏卵アレルギーの人への注意と
グリチルリチン酸では 偽アルドステロン症ですね。
 そのほかに目薬に配合される抗炎症成分といえば、イプシロン-アミノカプロン酸です。ベルベリン硫酸塩なども 余裕があれ ば覚えておきましょう。

 次は、抗炎症ではなく、目の組織を修復する成分です。炎症が生じた目の組織は荒れています。この荒れを修復する成分で、組 織修復成 分として分類されます。
 この組織修復成分には アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントインがあります。アズレンスルホン酸ナトリウムが配合され ると青紫色となります。
また この成分は抗炎症成分に分類される場合もときどきありますが、組織修復成分として覚えておいたほうがよいでしょう。
その他に、硫酸亜鉛という成分が配合されることがあります。これは 収斂成分に分類され この成分が目の粘膜の蛋白質と結合 すること で 目の組織を保護するのです。硫酸亜鉛は 収斂成分であるとして記憶しておきましょう。
 さらに、近年では目はアレルギー症状の始まりの器官であることから、目薬に抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分が配合され ること があります。
抗ヒスタミンはすでにおきてしまった アレルギー症状のもとのヒスタミンを抑える薬で抗アレルギー成分は一連のアレルギー症 状がお きる前に その予防的な作用をする成分です。
 目薬に配合される抗アレルギー成分としては、クロモグリク酸ナトリウムがあります。 この成分は アレルギーの予防になり ますが、アレルギー性の結膜炎などに有効ですがアレルギー性でない場合には空振りとなります。
 そして 目薬に配合される抗ヒスタミン成分は、すでに目のかゆみなどが起きてしまった症状を緩和するための成分で、こちら の成分は  いろいろな場面で用いられる みなさんも学習済みの抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩を覚 えておくとよいでしょう。
 その他には 目の調節機能を改善する成分として メチル硫酸ネオスチグミンがあります。
また 目の病気には 細菌感染によるものも想定されます。そういった病状に対して抗菌作用成分も配合されます。 目薬に配合 される抗 菌成分としては サルファ剤、ホウ酸を記憶しておくとよいでしょう。サルファ剤とはスルファメトキサゾール、スルファメトキザソールナトリウムなどを配合した成分のことで す。ただし、すべての細菌に有効であるわけではなく、ウイルスや真菌に対しては無効であると理解してください。
  また 目薬には目に栄養成分を与えるための成分もあります。その中にアミノ酸成分にあたるものがあります。具体的には、 アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウムなどで す。栄養ドリンクでおなじみの タウリン、つまりアミノエチルスルホン酸などもあります。
ちなみに、アスパラギン酸は、ヒトが体内で合成できる アミノ酸であり、タウリンはもともと目の角膜内に含まれているアミノ酸の一種ですから、これらが補充されることで目の新陳代謝が促さ れるというわけです。
 さらに、目にビタミン剤のような成分が配合されることもあります。
目の調整機能を回復させる、ビタミンB5に相当する パンテノールなども配合されます。その他のビタミンB系の配合成分もよ く配合さ れます。
B12のシアノコバラミンも目の調節機能を回復させこのB12が配合されると 目薬が赤い色になり、B2の成分は 少々長い 名前なの でここでは省きますがB12が配合されると疲れ目などを回復します。配合された目薬は黄色となります。
ビタミンAに相当するレチノール、B6のピリドキシン塩酸塩なども配合されることがあります。
※  成分名の読み替えについて  過去の手引き、学習参考書、OTC薬パッケージでは 左の物質名が記されている ことも少なくありませんが、最新の厚生労働省による試験問題作成の手引きでは( )内の表記が選択されています。 ほぼ同じ物質 であると 理解してください。
マ レイン酸クロルフェニラミン → (クロルフェニラミンマレイン酸塩)
塩 酸ジフェンヒドラミン → (ジフェンヒドラミン塩酸塩)
硝 酸ナファゾリン → (ナファゾリン硝酸塩)
塩 酸テトラヒドロゾリン → (テトラヒドロゾリン塩酸塩)