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2014/09/01


口腔咽喉薬 口腔内含嗽薬 口内炎用薬に用いられる成分について
口 腔咽喉薬 口腔内含 嗽薬 と 口内炎用薬は 別々の カテゴリーに分類されて学習するようにしているケースもありますが、薬剤の適用箇所や使用成分など に共通性もありまた、若干の違いもあるので、ここでは比較しながら学習します。そして 外用薬と内服薬がそれぞれある歯痛、 歯槽膿漏 薬成分について学習していきます。
 まず 一般用の口腔咽喉薬や含嗽薬は 咽頭部の炎症を和らげる成分と殺菌消毒成分などを組み合わせて配合されています。咽 頭部の粘 膜に局所的に作用して炎症による痛み、腫れなどをとることを目的とする成分が配合されますが、抗炎症成分として配合されるのが、リゾチーム塩酸塩、ト ラネキサム酸、グリチルリチン酸ニカリウムで す。
塩化リゾチームは鶏卵アレルギーの人にとっては、この卵白から抽出されるこの製剤には注意が必要ですね。
トラネキサム酸は 血栓が安定化してしまう副作用があるので
血栓症の人も注意が必要です。グリチルリチン酸ニカリウムは  大量、長期の摂取で偽アルドステロン症の副作用があります。以上が抗炎症成分ですが、 次に殺菌消毒成分も 組み合わされて配合されます。
主な成分はセチルピリジニウム塩化物、イソプロピルメチルフェノール、ベンゼトニウム塩化物、ポピドンヨード、ヨ ウ素、クロルヘキジン、クロルヘキジン塩酸塩、チ モールなどです。 (青は塩化デカリニウムに替えて追加)
このうちポピドンヨードは 義歯などの変色という点や  しみるという刺激感、吐き気やアナフィラキシーショックなどが留意点が少々あります。
またヨウ素剤も、アナフィラキシー的なショックがでる場合やビタミンCと反応して殺菌作用を失うなどの問題点もあります。
さらに ヨウ素剤は甲状腺異常に関連する病気 橋本病 バセドウ病の治療中の方ですと、その治療に影響を与える可能性があり ます。
これは ヨウ素が体に取り込まれる可能性があり その影響が思わぬ重大な副作用をまねくことがあるのです。
さらにヨウ素は 妊婦などの胎盤関門を通過したり 授 乳期の人の
乳汁に移行することもあるので 慎重に使用すべきです。
  そして 口腔咽喉薬や含嗽薬には 炎症で荒れた組織を修復する成分もあります。それにあたるのが ア ズレンスルホン酸ナトリウムです。他の分類の薬でもたびたび登場していますね。

 次に 口内炎用の成分を見ていきます。抗炎症成分として やはり 共通する成分が多々あります。グ リチンリチン酸などがあります。
組織修復成分としては アズレンスルホン酸ナトリウムが あります。
別名 水溶性アズレンですね。
そして、殺菌消毒成分として、セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキジン塩化物、ア クリノールがあります。
ただし、これらの殺菌消毒成分は 結核菌やウイルスには無効であるといわれ、さらにアルカリ性の元では殺菌力が低下しますか ら、石鹸 などを使用したときには、殺菌力が低下しやすいと考えた方がよいでしょう。
 また 口内炎用に 生薬成分のシコンが組織修復促進と細菌感染予防のために配合されることもあります。

 最後に 歯痛と歯槽膿漏薬の配合成分について見ていきます。
歯痛の薬の成分は まず 痛みを取り去るために、知覚神経の伝達を遮断するための局所麻酔成分があります。これには もうお なじみの  アミノ安息香酸エチル、ジ ブカイン塩酸塩、テーカインなどが あります。
 同じ局所麻酔成分でも、冷感刺激を与えて 同じように知覚神経を麻痺させて鎮痛、鎮痙効果を得るものに、メ ントール、カンフル、ハッカ油、ユー カリ油があります。
 また 歯痛薬には 原因となっている菌も消毒する殺菌消毒成分としてフェノール、歯 科用フェノールカンフルがあります。さらに、クレ オソート、オイゲノール、セチルピリジニウム塩化物などがあります。これらは 歯痛や歯 槽膿漏の原因の1つになっている、細菌の繁殖抑制が目的です。
 次に、歯槽膿漏薬をみていきますが、これには、外用薬としての
歯槽膿漏薬と 内服薬としての歯槽膿漏薬があります。
  外用薬、内服薬ともに 抗炎症成分や止血成分、組織修復成分などがあります。
若干のちがいありますが、歯槽膿漏薬の抗炎症成分では 内服薬では
グリチルリチン酸二カリウム、グ リチルリチン酸などで 歯磨き粉などにも配合される
おなじみの成分で、歯周組織の炎症緩和のために直接作用します。
 これに対し 内服薬で用いられる 抗炎症成分は リゾチーム塩酸塩と なります。外用薬に配合される 止血成分は カルバゾクロムで  
内服薬の止血成分もカルバゾクロムと ビタミンKにあ たる フィトナジオンがあります。
外用薬の組織修復成分は アラントインですが 内服薬 では銅クロロフィリンナトリウムです。
また 殺菌消毒成分は 内服薬には 配合されることはあまりなく、もっぱら
外用歯槽膿漏薬に、セチルピリジニウム塩化物、グルコン酸クロルヘキジン、イ ソプロピルメチルフェノール、チモール  など 口腔咽喉薬や含嗽薬の殺菌消毒成分とかなりの部分が重複する成分となります。
成 分名の読み替えについて 過去の手引き、学習参考書、OTC薬パッケージでは 左の物質名が記されていることも少なくありま せんが、試験問題作成の手引きでは( ) 内の 表記が選択されています。 ほぼ同じ物質であると 理解してください。
塩 化セチルピリジニウム → (セ チルピリジニウム塩化物)
塩 化ベンゼトニウム → (ベ ンゼトニウム塩化物)
塩 酸クロルヘキジン→(ク ロルヘキシジン塩酸塩/クロルヘキ シジングルコン酸塩)
塩 酸ジブカイン  → (ジブカイン塩酸塩)