自然との調和を目指す企業

2014/09/01


おもな医薬品の成分分野  その他の成分 その3
消毒剤  殺虫剤 忌避剤  一般検査薬(尿糖 たんぱく 妊娠)
<消 毒剤>
消 毒剤とは、一般的に感染症の防止のために予め用いられる薬剤であるが、その感染症 の対象には、一般細菌類と心筋類、結核菌、さらにウイルスがあります。これからあげる 消毒薬成分は 一般細菌、真菌類に対 しては有効であっても、結核菌、ウイルスには無効な成分があります。 それは グ ルコン酸クロルヘキジン、 あるいは グ ルコン酸クロルヘキジン酸塩で す。 さらに、ク レゾール石鹸は  結核菌にも有効で、ウイルス以外なら有効という優れた消毒薬成分です。ポ リアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩も  このクレゾール石鹸と同様な効果をもつといえる消毒薬成分 です。 さらにアルコール分が微生物の蛋白質を変性させ、それらの作用を消失させることから、一般細菌、真菌類はもちろん、 結核菌からウイルスにまで有効な成分として、エ タノールイ ソプロパノールの アルコール類があります。 これら の消毒成分のうち、ク レゾール石鹸液は 原液を 水で希釈して用いられますが、刺激性が強いので、皮膚に直接付着しないように注意します。さらに、エ タノールイ ソプロパノールの アルコール類も脱脂効果が強いことから、肌に付着すると肌荒れを起こしやすくなりますので 皮膚えの連用には気をつけなくて はなりません。また、吸引や引火にも危険性があるので注意が必要です。
ま た 次 亜塩素酸ナトリウムサ ラシ粉な どの塩素系殺菌消毒成分は人体の消毒ではなく器具や設備などの殺菌消毒に その酸化力が用いられ ます。その酸化力の強さから、金属腐食、また プラスチック、ゴムなどの劣化を招く上、酸性薬剤との混合で塩素を発生するの で、取り扱いには注意が必要である。さらにプールなどの大型設備の殺菌、消毒にはジ クロルイソシアヌル酸ナトリウムト リクロルイソシアヌル酸等 の有機塩素系殺菌消毒成分が適用されるが、金属腐食性や塩素臭が比較的抑制されてい ます。
こ れらの消毒剤を誤って触れたり、飲み込んだ場合には次のような処置をとることを原則とします。まず 誤って飲み込んだ場 合、多量の牛乳、または水を飲ませ、有害成分の消化管からの吸収を遅らせたり、粘膜を保護することとします。原液や濃厚液を 飲んだ場合には自己判断で安易に吐き出させることは避けることとなっており、目に入った場合には流水で15分以上洗顔するこ ととされます。特にアルカリ性成分の場合には念入りに水洗いするとされます。酸にしろ アルカリにしろ、中和させようとして 酸またはアルカリで洗うと、中和熱の発生により刺激を強める場合があるので避けるべきとされます。
ま た 誤って皮膚に触れたときには できれば、着衣を取り、流水をかけながら皮膚を水荒いします。アルカリ、酸の場合も先ほ ど述べた理由と同じで 中和剤の使用は避けるべきとされています。 また 気化したこれらの成分を吸って意識がない場合に は、新鮮な空気のところへ運び、人工呼吸などをするとされています。
<殺 虫剤>
登 録販売者試験で扱う殺虫剤とは、ハエ、蚊、ゴキブリ、シラミ、トコジラミ、ノミ、イエダニ、ツツガムシなどを対症にした殺 虫、駆除剤のことで、大きくその成分を分類すると、有機リン系のものとピレスロイド系のものがあります。忌避剤とは ハエ、 蚊、ノミなどの衛生害虫を忌避するものです。忌避とは嫌って避けるという意味です。ちなみに一言で殺虫剤といって
A  医薬部外品 → 人体に対する作用が緩和なもの
B  医薬品 → 人体に対する作用が緩和とはいえないもの(原液を用時希釈して用いるもの、長期間にわたって持続的にあるい は一度に大量に成分を放出させるもの、劇薬に該当するものなど)に分類されます。衛生害虫の配合成分の分類としては 有機リ ン系 ピレスロイド系 カーバメイト系 オキサジアゾール系 有機塩素系(DDT)があり、有機リン系の成分は コリンエス テラーゼと不可逆的に結合し、その働きを阻害して殺虫効果を示す。ジ クロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、 フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス がある。カーバイド系の成分には プ ロポクスルがあり、これは 抵抗性を示す害 虫の殺虫に効果を示しエステラーゼと可逆的に結合し、その働きを阻害する。家庭用殺虫剤などでおなじみのピ レスロイド系にはペ ルメトリンフェノト リンフタルスリンの 成分があり、神経細胞に作用し て神経伝達を阻害して殺虫する。オ キサジアゾール系に は メ トキサジアゾンがあり 有 機塩素系通称DDTには オ クトジクロロベンゼンがあり 神経細胞に作用して神経伝達を阻害する作用をもち ボウフラの殺虫 に用いられる。その他に 虫が蛹(さなぎ)になるのを防止する メ トプレンピリプロキ シフェン、 幼虫の脱皮を阻害するジ フルベンズロンが あり、昆虫成長阻害成分と呼ばれる。他に 殺虫効果はないが 殺虫効果を高める殺虫補助成分として ピ ペニルブトキシド(PBO)チ オシアノ酢酸イソボルニル(IBTA)があり、虫などを寄せ付けないための忌避成分として ディート がある。
<検 査薬>
一 般検査薬は尿を検査して、尿糖 たんぱく質などの有無を調べるものです。尿糖などを調べ 糖尿病などを調べるときいんは  食後1~2時間後の尿を調べ、尿蛋白などを調べるときには 起床直後の早朝尿を調べるのがよいとされるが、早朝尿であって も、出始めの尿は尿道や外陰部付着物、細菌などが混入する恐れがあるため避け、それ以後の中間尿を採取する。尿は通常は 酸 性を示すものであるが、食品やサプリなどの影響でアルカリ性になっている場合がある。その場合には正常な検査結果とならない 場合がある。また 採尿した検体は速やかに処理に進めないと、放置すると変質や雑菌などの繁殖、混入が起きるので 注意が必 要である。正常な尿糖値  2~20mg/dL 以下 正常な尿蛋白値 15mg/dL 以下となっている。 また 尿検査では 妊娠の有無をある程度予備判定することができる。その場合には妊娠成立4週目前後の尿中ヒト繊毛性腺刺激ホルモン(hCG)濃度に 反応するため 月経予定日が過ぎて 1週回目以降の尿検査が望ましい。早期に検査すると 擬陽性となることがあり、検査の尿 は やはり 早朝尿がよいとされる。また 妊娠以外で ヒト繊毛性腺刺激ホルモン(hCG)が検出されるケースに 細胞が腫 瘍化している場合や 経口避妊薬や更年期障害治療薬などのホルモン剤を使用している場合がありうる。また 子宮外妊娠または 胞状奇胎などを生じている場合など異常妊娠では 陰性となることもある。いずれにせよ その結果をもって直ちに妊娠している か否かを断定することはできない。妊娠の確定診断には、尿中のホルモン検査だけでなく、専門医によ問診や超音波検査などの結 果から総合的に妊娠の成立を見極める必要がある。